釜山に初めて来たとき、誰もが一度は考えるはずです。
「広安里(Gwangalli)と海雲台(Haeundae)—どちらが本当の釜山を代表するビーチなんだろう?」
どちらもポストカード、YouTubeのVlog、そして「釜山でやるべき10のこと」リストに必ず登場します。
白い砂浜が長くカーブし、ホテルが並び、夜には高級マンションの灯りが海に映る——まさに“ビーチシティ”そのものです。
だから、私が釜山に引っ越したばかりの頃は、毎週末のように海雲台へ行っていました。
スターバックスでラテを買い、裸足で砂を歩きながら思いました。
「ついに私は釜山で暮らしているんだ」と。
日焼け止めの香り、ストリートパフォーマーの音、海面に映るスカイライン——すべてが映画のようでした。
でも長く住むうちに気づきました。
釜山には、ひとつのストーリーだけではないということを。
地元の人たちと一緒に過ごすようになると、彼らがあまり海雲台には行かないことに気づいたのです。
代わりにこう言うのです。
「広安里で会おうよ。」
最初は「中心地から近くて観光客が少ないからかな」と思っていました。
でも何度か夜を過ごしてみて、その意味がわかりました。
広安里は誰かに見せるための場所ではない。
派手でもなく、静かで、どこか誠実なんです。
そのとき気づきました。
本当の質問は「どちらが良いビーチか?」ではなく、
「あなたはどんな釜山を体験したいか?」 なのです。
だからこのローカルガイドでは、
「観光リスト」ではなく、同じ海を共有する2つの生き方として、
広安里と海雲台を見比べてみましょう。
1️⃣ Gwangalli vs Haeundae – 雰囲気の違い:同じ海、異なる人生

もし海雲台が人だったら——
きっと真っ白なシャツをアイロンがけして、曇りの日でもサングラスをかけている。
上品で、華やかで、いつもスポットライトの下にいるような存在です。
海雲台を歩くと、まるでCMの中に入り込んだよう。
ポーズを取る人々、カメラのフラッシュ、カフェの音楽がボードウォークまで流れてきます。
ここには特別な高揚感があります。
潮の香りと野心が混ざり合うような空気。
世界中から人々がこのビーチを見るためにやって来て、その熱気に包まれます。
けれど時には少し疲れることも。
海雲台では、まるで自分がステージの一部であるかのように、消えることができないのです。
地元の人たちは半分冗談でこう言います。
「海雲台はソウルの友達を連れて行く場所。自分たちが行く場所じゃないよ。」
一方の広安里は、まるで別のタイプの友達。
「仕事終わりにビール行く?」と気軽に誘ってくれるような人。
スーツ姿でもサンダルでも気にしない。
ただ海のそばに座って人生の話をする、そんな存在です。
広安里には優しさがあります。
波の音とカフェから流れるインディー音楽が混ざり合い、
光る広安大橋がまるで心臓の鼓動のように静かに脈打っています。
人が多くても、混雑というより“共有している”感じ。
もし海雲台がステージなら、広安里はリビングルーム。
それが釜山の人が感じる本当の違いです。
2️⃣ Gwangalli vs Haeundae – 地元の人が本当に思っていること

観光客が海雲台に来ると、真っ先に思い浮かべるのは
ルーフトップでのカクテルや海沿いの豪華なブランチ。
でも地元の人にとって海雲台は朝の習慣のような場所。
街が目を覚ます前に冬柏島(トンベクソム)を散歩したり、
昔からある海雲台市場でおでんスープを飲みながら店主と話したり。
魔法のような時間帯は朝8時前後。
観光客が来る前の静かな時間に、波の音がより鮮明に聞こえます。
風に混じる磯の香りを感じることもできます。
一方、広安里は夜のための場所です。
オフィスの灯りが消え始め、広安大橋が光り出す頃、
ビーチが生き返るように感じます。
友達同士が階段に座ってコンビニのビールを飲みながら笑い、
アコースティックギターの演奏が砂浜から聞こえてくる。
通りを歩くと、どのカフェも“橋の景色を楽しむため”に作られたよう。
地元で人気の店は、落ち着いた雰囲気の Cafe de Lapis や
夜食にぴったりの Ssongjang マッコリバー。
でも本当はどこでもいいのです。
なぜならここでは、景色そのものが体験だから。
「見せびらかす場所」と「ゆっくり過ごす場所」——
この対比こそが、釜山の人々が週末にどちらに行くかを語るとき、
必ず「広安里 vs 海雲台」と言う理由です。
3️⃣ アクセスと移動(地元の人のリアルな行動)

地元の人がこの2つのビーチを語るときにいつも出る話題、
それは「日常の中で行きやすいのはどっち?」ということ。
海雲台
- 地下鉄2号線 → 海雲台駅(3番または5番出口)から徒歩7〜10分。
- 週末は観光バスやホテル客で道路が混み合います。
そのため、駐車場はすぐ満車になり料金も高め。 - だから地元の人は朝早く(冬柏島の散歩など)や
特別な予定(ホテルブランチ、屋上カフェ、友人との約束)があるときに行きます。
広安里
- 同じく地下鉄2号線 → 広安駅(3番または5番出口)から徒歩数分。
- コンパクトで移動しやすく、裏通りに小さな駐車場が多いので車でも安心。
- 水営(スヨン)や民楽(ミルラク)エリアにも近く、
夕食を他の場所で食べてから「締め」で広安里に来るのが釜山流。
地元の感覚ではこうです。
「海雲台=計画して行く場所。
広安里=いつでも行ける場所。」
だからこそ、広安里のほうが生活の一部として愛されています。
4️⃣ ベストな時間帯と写真スポット

同じビーチでも、訪れる時間で印象はまったく変わります。
海雲台 — 朝または昼がベスト
- 朝日が斜めから差し込み、海が静かで広く見える時間帯。
- 海雲台から冬柏島まで歩けば、背後に高層ホテル群を入れた完璧な“ポストカード写真”が撮れます。
- LCTタワーやBay101など、ラグジュアリーな釜山を象徴する撮影にも最適。
広安里 — 夕方から夜がベスト
- 日没とともに広安大橋がライトアップされ、
カフェの灯りが海面に映り、スマホでも映画のような写真に。 - テラス席や階段もすべてフォトスポット。
コーヒー片手に座っているだけで絵になります。 - だから地元の人はデートや小さな集まりに広安里を選びます。
イメージで言うと:
- 海雲台=明るく、広く、都会的な昼のビーチ。
- 広安里=温かく、ロマンチックで、夜の海岸線。
5️⃣ 各ビーチ周辺で行くべきローカルスポット

海雲台エリア
- 冬柏島(Dongbaekseom):
海と松林と街並みを同時に楽しめる、静かな散歩道。 - Busan X the SKY(LCTタワー内):
特別な日や記念日にぴったり。
夕方に行くと、黄金→青→夜景のグラデーションが見られます。 - 海雲台伝統市場:
豪華な街並みに対するローカルなバランス。
おでん、トッポッキ、ホットクを買って海辺で食べるのが定番。
広安里・民楽エリア
- 広安里ビーチウォーク:
カフェ、バー、デザートショップ、小さなブティックが海沿いに並ぶ。
夕方から夜までの散歩がおすすめ。 - 民楽水辺公園:
地図では目立たないけれど、地元の人に人気。
近くで刺身やチキンを買って、階段で海を見ながら食べる——これぞ釜山スタイル。
6️⃣ ローカルが本当に行く食事&ドリンク

広安里周辺
- 民楽刺身センター(Millak Raw Fish Town):
新鮮でリーズナブル。
“海のすぐそばで食べる”体験を味わえる。 - 海沿いカフェ(例:Cafe de Lapis / Waveon Gwangalli):
広安里=カフェ+景色。
友人と語らいながら橋を眺めるだけで満足。 - ビーチでチキンとビール:
コンビニや出前で買って砂浜で食べるのが釜山流。
学生、カップル、会社員が入り混じる自由な雰囲気。
海雲台周辺
- 海雲台市場の屋台通り:
高級ホテルが立ち並ぶ中でも、地元の人はここで食べ歩きを楽しむ。 - 裏通りの小さなビストロやワインバー:
メイン通りから1本入るだけで落ち着いた空間。
デートや少人数の集まりに人気。 - Thursday Party(外国人バー):
外国人が集まりやすく、カジュアルで交流しやすい雰囲気。
🌅 「本当の釜山」とは何か

長年釜山で暮らしてわかったのは、
広安里と海雲台は競い合っていないということ。
それぞれが同じ海の異なる気分を表しているのです。
気分を上げたい、スカイラインを見たい、映画の中にいるような瞬間を感じたいときは海雲台へ。
そこは堂々として、洗練され、釜山が世界に誇る“表の顔”。
でも週末が終わり、日常に戻るとき、私たちは広安里に帰ってきます。
靴を脱いで砂の上に座り、コーヒーを片手に、
静かに輝く広安大橋を見上げながら。
そこには急ぐことも、見せびらかすこともない。
ただ潮風と小さな会話、そして釜山らしいリズムがあるだけ。
だから誰かに「地元の人はどっちが好き?」と聞かれたら、
私はいつも笑ってこう言います。
「観光客は海雲台を愛し、
釜山の人は広安里で生きている。」
釜山の海には2つの顔があります。
ひとつはカメラのために輝く顔、もうひとつは疲れた心を静かに癒す顔。
どちらも美しい。
今日はどちらの海に会いたいか——それだけです。
釜山の海沿いスポットについては、VisitKorea公式サイトで詳しく紹介されています。
Learn more about Busan’s coastal attractions on VisitKorea official site.
